無表情の中に隠れた欲望の深さ

被害者であるはずの葉月が無表情のまま甘く迫ってくる。その眼に光がないからこそ、何を考えてるのか、何を求めてるのかが読み手に委ねられる。倒錯した過去があるのに、そこを指摘させないあの無表情の力強さ。タイツという触覚的な要素と相まって、見つめられてるのに見つめ返せない緊張感が最高に刺さった。

M男を支配する女の圧倒的な静寂

苗字でいじめられた過去も、中退という挫折も、全部無視して純粋に肉体関係に引きずり込む。主人公の罪悪感や戸惑いに応じず、ただ無表情で求め続ける。その圧倒的な無言の支配感が、M男向けという枠を超えて、人間関係の深い部分に触れてる気がした。迫力がある。

こういう人には刺さる、こういう人には物足りない

表情豊かなヒロインの心理描写を求めてる人には、この無表情さは退屈に見えるかもしれない。でも『眼に光がない女の子のキャラクターが好き』『支配される側の緊張感が好き』『セックスの中に純愛を感じたい』っていう人には、この一冊は本当に刺さると思う。逆転の関係性が完璧に整ってる。